概要
本サービスでは、「AS ONE Cell Picking System」を用いて、大規模な細胞群から全自動で目的細胞を1細胞ベースで検出し、迅速に回収する技術を提供致します。生細胞を1細胞単位で様々な容器に回収できるため、回収後に培養したり、NGS/RNAseqなどの遺伝子解析を行うことも可能です。
基本的には蛍光標識された細胞が対象となりますが、位相差画像で解析可能なため蛍光を発していない細胞を回収することも可能です。もし蛍光免疫染色が必要であれば承りますのでお問い合わせください。マルチウェルプレートに回収する場合は、コンフルエントになるまで培養した後、ご依頼者様に生細胞の状態でお返しします。
レア細胞の回収
蛍光顕微鏡で観察しながら、ウェルに満たされた数万~数十万個の細胞から1個ずつ解析するため、陽性率0.01%以下のレア細胞のスクリーニングも可能です。
1細胞NGS/RNAseqなどの解析のための回収
目的の細胞を1細胞単位で解析後にPCRチューブに回収すれば、1細胞NGS/RNAseqなどの遺伝子解析ができます。
ご準備いただくもの
接着・浮遊細胞の場合 |
凍結細胞の場合 |
- ベントキャップタイプフラスコに細胞を培養し、培養用培地をフラスコに満タンに充填して、フタをしっかり閉めてください。
- 継代培養法のプロトコール
- 細胞剥離法・シングルセル化のプロトコール
- 培養用培地
- 0.25% Trypsin / 0.5mM EDTA(SIGMA T4049)以外の細胞剥離液をご希望の場合は剥離駅
- すぐに遺伝子を解析等される場合は、遺伝子解析用lysis buffer
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- 凍結保護液中に細胞を浮遊後、クライオジェニックチューブ内で-80℃以下で凍結された細胞
- 発泡スチロール
- ドライアイス
- 細胞解凍・再培養法・継代培養法のプロトコール
- 培養用培地
- 0.25% Trypsin / 0.5mM EDTA(SIGMA T4049)以外の細胞剥離液をご希望の場合は剥離液
- すぐに遺伝子解析等される場合は、遺伝子解析用lysis buffer
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遺伝子導入後細胞のクローニング
目的遺伝子と蛍光タンパク遺伝子を導入して薬剤選択をした後の細胞のクローニングにも使用できます。
抗体高分泌細胞のスクリーニング
AS ONE Cell Picking System専用のイムノチャンバーを用いて、抗体分泌細胞(B細胞、CHO細胞、ハイブリドーマなど)で分泌能が最も高い細胞を1細胞単位で採取します。これにより、従来の限界希釈法では2ヶ月以上の期間を要していたクローン回収が、2週間に短縮されます。従来よりもより正確に、かつ迅速に抗体高分泌細胞を得ることができます。
本サービスでは、抗原で免疫済みのリンパ球および、既に抗体産生遺伝子が導入済みのCHO細胞、ハイブリドーマなどの細胞をご依頼者様よりご提供いただき、抗体高分泌細胞を1細胞単位で回収いたします。その後、リンパ球の場合、遺伝子解析用lysis bufferに溶解し凍結してご依頼者様にお返しします。CHO細胞、ハイブリドーマなどの細胞の場合は、96ウェルまたは384ウェルプレートに回収し、コンフルエントになるまで培養した後、生細胞の状態でお返しします。
スクリーニングの流れ
従来の限界希釈法では、1クローンを回収するのに2ヶ月以上かかります。
AS ONE Cell Picking Systemを使用すれば、約2週間で1クローンを回収できます。