概要
タンパク質の重要な構造や機能を同定し最適化するために、変異タンパク質を生じる変異遺伝子のライブラリーを使用することが多くなっています。タンパク質工学では、タンパク質の発現、可溶性、安定性、酵素活性、およびターゲットとの相互作用を増強した新規タンパク質を開発するために、変異体ライブラリーをスクリーニングします。
ジェンスクリプト社の各変異体クローンは、シークエンスの正確性100%を保証しており、
de novo遺伝子合成における卓越した専門性を基に、新たに開発した GenPlus next-generation gene synthesis technologyにより、合理的かつ体系的に変異遺伝子を合成することができます。この新規技術は、小規模から中規模(最大10
5種類のユニークなバリアント)のライブラリー構築に極めて有用であり、高い費用対効果が得られます。変異体ライブラリーには、コドンの置換や縮重がランダムに導入された最大109までのバリアントが含まれており、製品形態としては二本鎖DNA、ご希望のプラスミドベクターにクローニング、あるいは形質転換ベクターをグリセロールストックのいずれかで提供することができます。
Site-Directed Mutagenesis Libraries(Cat. No.: SC1153)
ジェンスクリプト社では、
de novo遺伝子の合成および部位特異的変異の導入における専門的技術により、ご期待に沿う有用な部位特異的変異体ライブラリーの構築が可能です。変異体ライブラリーは、タンパク質の機能や活性中心の研究に極めて重要な基盤となります。これらのライブラリーでは、タンパク質の任意のアミノ酸残基を19種類の生体アミノ酸のいずれかと置換することが可能であり、対象タンパク質の特性パターンに重要な変化を出現させるアミノ酸変異を体系的に検討することができます。
納品物
- 最大10μgの突然変異コンストラクト
- 1部位に最大20種類のアミノ酸変異を持つ変異体ミックスの小スケールライブラリー
- 精製した変異体
- シークエンス検証情報
- 変異部分ヌクレオチド分布の統計分析データ(fig.1)
Scanning Point Mutation Libraries(Cat. No.: SC1154)
スキャニングによる点変異導入は、タンパク質の機能解析効率を大幅に向上させる有効な方法です。この方法では20個のアミノ酸置換を同時並行的に進めるため、アミノ酸を1個ずつ置換する一般的なアラニン・システイン置換法に比べ体系的な解析が可能であり、任意位置で置換される各アミノ酸により生じるタンパク質特性の詳細なプロフィールが得られます。ご希望のコドンごとにsite-saturatedコンストラクトを作製します。調製されたライブラリーは、お客様のご要望に応じて一つのプールまたはバリアントごとの分注(19種類)形態で提供致します。
納品物
- 最大10μgの突然変異体発現ベクター
- 1部位に最大20種類のアミノ酸変異を持つ変異体ミックスの小スケールライブラリー
- 精製した変異体
- シークエンス検証情報
- 変異部分ヌクレオチド分布の統計分析 データ(fig.2)
Randomized and Degenerated Libraries(Cat. No.: SC1155)
ジェンスクリプト社が有する最新の縮重オリゴヌクレオチド合成技術により、ランダムに変異導入した完全長遺伝子や遺伝子縮重を含むDNAを極めて高い精度で合成することができます。
ジェンスクリプト社の
in vitroライブラリー合成技術は、フレキシブルなコントロールによるランダム置換を可能にするものであり、1kbあたり1~20箇所の変異を導入できます。
作製した変異導入株は 48, 96または192株を1グループとしてシークエンスを確認しています。
納品物(いずれか一方)
- PCR産物ライブラリー(最大1011種類の変異体)
5’と3’に制限酵素切断部位を有するクローニング可能な10µgの直鎖DNA
- クローンライブラリー(fig.3):
ご希望のベクターにクローニングし、形質転換を行ったライブラリー全体のグリセロールストック(最大109種類の変異体)。