概要
糖、オリゴ糖、糖ペプチド、糖脂質などの糖関連物質を合成するためには、卓越した技術と豊富な経験が必要です。糖の特定位置を修飾したり、糖鎖を構築するには、考慮しなければならない様々な要素があります。医化学創薬では、豊富な知識と経験を有するスタッフが単糖誘導体から複雑な構造を持つ糖鎖、糖ペプチドを高品質、高純度なグレードで納品いたします。
特長
- 化学法と化学酵素法を駆使
- 立体選択的な糖鎖構築
- あらゆる糖誘導体合成に対応
- 順相、逆相カラム
- HPLC
- ゲル濾過カラム
- NMR
- 分析 HPLC
- MALDI-TOF MS、LC-ESI MS
糖誘導体合成と糖鎖合成
糖誘導体合成の特長
単糖の水酸基を適切に修飾するには、各単糖の立体、反応性を考慮してスキームを策定しなければならないため、熟練した技術と豊富な経験が必要になります。医化学創薬では、各種単糖(グルコース、ガラクトース、マンノース、N-アセチルグルコサミン など)の水酸基を自在に修飾し、アジド基、蛍光基、あるいはデオキシ化などありとあらゆる誘導体化に対応いたします。(
fig.1)
糖鎖合成の特長
核酸やタンパク質(ペプチド)は構造が直線的であり、それぞれPCR、ペプチド自動合成機を使用すれば誰でも合成可能な時代となっています。一方、糖が連なった構造である糖鎖は直線型や分岐型の構造を持ち、自動合成装置もないことから誰もが自在に合成することはできない状況です。糖鎖を合成するためにはグリコシル化反応と呼ばれる糖と糖を結合させる工程を経なければなりません。このグリコシル化反応は未だに確立した方法はなく、知識と経験から使用する糖の組み合わせに応じて相応しい誘導体をデザインする必要があります。化学反応ではこのようなグリコシル化反応を制御しなければならない問題がありますが、糖転移酵素(糖を転移する酵素)を用いた反応では温和な条件で糖と糖を結合させることが可能です。
医化学創薬では、ターゲットとする構造をもとに、全てのステップを有機化学で合成する完全化学合成法、化学法と酵素法を組み合わせた化学酵素合成法を適宜選択することによってあらゆる糖鎖の合成に対応いたします。また、糖鎖の特定部位を蛍光基、アジド基などで修飾することも可能です。(
fig.2)
糖ペプチド合成
ペプチド合成は、一般的に樹脂上でビルディングブロックと言われるアミノ酸を順次縮合する固相合成によっておこなわれています。糖ペプチドを固相合成するためには、ビルディングブロックとして糖がアミノ酸側鎖に結合した「糖アミノ酸」を使用する必要があります。この糖アミノ酸は通常のアミノ酸ビルディングブロックと比べて立体的に嵩高いために、通常のペプチド固相合成では収量が低くなることがわかっています。そこで医化学創薬は、ビルディングブロックの縮合に際して、マイクロウェーブを照射することで迅速かつ効率的に糖ペプチドの合成をおこなっています。また、合成によって得られた糖ペプチドに対して各種糖転移酵素を作用させることで、N結合型、O結合型などの複雑な構造を持つ糖ペプチド合成が可能となっています。(
fig.3)