概要
1種類のサンプルで、最大100種類の異なった生体成分を分析するために開発された、フレキシブルで使いやすい、マルチプレックス分析システム「Bio-Plex
TM サスペンションアレイシステム(Bio-Plex
TM 200)」と、Bio-Plex
TM Assay Kits(BIO-RAD製)及び、Luminex
® Multiplex Assays(ThermoFisher Scientific/invitrogen製)、 Multiplex Kit(Merck Millipore製)、ProcartaPlex
TM Multiplex Panel(Thermo Fisher Scientific/eBioscience製)、Luminex Assay / Luminex High Performance Assay(R&D Systems)などを用いた受託解析サービスです。マルチプレックスで、サイトカインなどの発現定量解析を行うサービスです。少量サンプル、多数検体の場合に、最適でお得なサービスです。サンプルをお預かりし、解析データをCDに収録してお届けします。
本サービスは、医薬品GLP準拠体制を導入運用して、試験を実施しています。
Bio-PlexTM サスペンションアレイシステムについて
細胞や動物、及び人間を対象とした研究において、種々の成分間の相関関係等を研究するための最適なシステムである「Bio-Plex
TM サスペンションアレイシステム」は、ハードウェア・システムコントロール及びデータ分析ソフトウェア・校正用ツール、アッセイ用試薬キットで構成されています。ハイスループットELISA・ウェスタンブロットとしての用途だけでなく、機能ジェノミクス・リードバリデーション・二次スクリーニング・ADME・毒性研究などへの応用が可能です。
「Bio-Plex
TM サスペンションアレイシステム」では、それぞれ異なるタンパク質に特異的に反応するものを結合した100種類のカラーコードビーズを使用します(
fig.1参照)。ビーズに結合されるものとしては、酵素基質・レセプター・抗原・抗体などが使用され、サンドイッチイムノアッセイ法などにて測定されます。ビーズの色(蛍光)により測定項目の識別を行いつつ、レポーター分子の蛍光を測定することにより、定量を行います。
- Bio-PlexTM ワークステーション(Bio-PlexTM 200)(fig.1)
フローベースのデュアルレーザー検出器により、それぞれが異なった測定を行う最大100種類のカラーコードビーズを区別でき、96Wellマイクロプレートを用いて、複数項目の同時定量(マルチプレックス測定)が行えます。
- Bio-PlexTM マネージャーソフトウェア
マルチプレックス測定におけるリアルタイムのデータ収集と分析用に作成された最新のデータ分析ソフトウェアパッケージです。分析終了とともに、自動的にレポート表示され、データ解析を行います。
- システム校正用の専用ツール
Bio-PlexTM キャリブレーションキット;
蛍光検出校正用のビーズが含まれており、測定毎に使うことで、蛍光検出の日差および機器間差を校正します。
Bio-PlexTMバリデーションキット;
光軸や分析の正確性・傾き・直線性・感度などの分析性能をチェックします。
- アッセイ用試薬キット
xMAPテクノロジー(Luminex社)に基づいたビーズベースのマルチプレックスアッセイ用キットです。
以下のキットをご用意しており、サイトカインやリン酸化タンパク質分析キットなど、多数の測定項目の中から目的のものをお選びいただけます。
マルチプレックスビーズテクノロジーの原理
Bio-Plex
TM サスペンションアレイシステムでは、Luminex社のマルチプレックステクノロジーを採用し、最大100種類の測定対象を同時検出することが可能です。
この技術では、2色の蛍光色素の比率を変えて染め分けた直径5.6umのポリスチレン製ビーズを使用します。それぞれの蛍光色素の濃度は、それぞれ10段階に変えてあり、その組み合わせで100通りに色分けしたビーズを作成します。(
fig.2:1~2)
Bio-Plex
TM アッセイでは、ターゲットとなるタンパク質(例えばサイトカインやリン酸化タンパク質)に特異的なモノクロナール抗体をビーズ表面に結合させます。この抗体結合ビーズとサンプル・二次抗体(検出抗体)をマイクロプレートのウェルの中で反応させ、サンドイッチELISAを行います。異なった組み合わせの抗体結合ビーズを用意することで、1つのサンプルで多数の測定対象を検出する系を作ることができます。(
fig.2:3)(
fig.3:4~5)
反応後の溶液をアレイリーダーに送り、サンプルの測定を行います。波長635nmのレッドレーザー(識別レーザー)でビーズの色分けを検出し、Bio-Plex
TM マネージャーソフトウェアでそれがどの測定対象であるかを判別します(例えば、36番のビーズには抗IL-2抗体が結合)。この様にして、Bio-Plex
TM システムは、マイクロプレートの1Well内で複数のアッセイを識別することができます。波長532nmのグリーンレーザー(レポーターレーザー)は、二次抗体上の蛍光タグ(フィコエリスリン、PE)を同時に励起します。
PEの蛍光強度はイムノアッセイで捕捉された測定対象の量に比例します。(
fig.3:6)(
fig.4:7~8)
データ解析は、スタンダードカーブを用いてサンプル中の測定対象を定量します。96Wellプレートのそれぞれのウェルから毎秒数千個のビーズを読み取ります。シグナルプロセッシングアルゴリズムにより、ビーズ識別とレポーターからの蛍光値を積算します。Bio-Plex
TMマネージャーソフトウェアにより、データ解析を行い、実測値を求めます。(
fig.4:9)
スタンダードカーブ例(マウスサイトカインアッセイ)(fig.5)
Powerful digital signal-processing algorithms accumulate fluorescent classification and reporter output from the beads. Bio-Plex Manager software then analyzes the data and presents them in meaningful form. Shown here is a standard curve from the simultaneous analysis of eight cytokines from mouse serum. Each data point represents the average of three individual samples.
実験の流れ
- サンプルの調整
抗体付きビーズ及びサンプルの分注、検出抗体の添加・洗浄、レポーター(検出抗体ラベル用)の添加・洗浄を行います。
- サンプル測定
Bio-PlexTM サスペンションアレイシステムを用いて、サンプルの測定を行います。
検量線は、N=3で測定します。
検体は、N=3、N=2での測定を推奨しています。
検体測定に使用可能なWell数(スタンダード及びコントロールを除いた分):
キットによって、スタンダード及びコントロールの数が異なるため、検体測定に使用可能なWell数はかわります。詳細は、各キットのマニュアルをご確認ください。
・Bio-Plex Assay Kits(BIO-RAD)
69Wells(N=2の場合34検体、N=3の場合23検体)
・Milliplex MAP Multiplex Kits(Merck/Millipore)
66~69Wells(N=2の場合33~34検体、N=3の場合22~23検体)
・Luminex® Multiplex Assays(ThermoFisher Scientific/invitrogen)
72Wells(N=2の場合36検体、N=3の場合24検体)
・ProcartaPlexTM Multiplex Panel(ThermoFisher Scientific/affymetrix)
69Wells(N=2の場合34検体、N=3の場合23検体)
- データ解析
Bio-PlexTM マネージャーソフトウェアにより、スタンダードカーブを用いて、データ解析を行い、実測値を求めます。
- 解析データ結果のご報告
データ解析結果を、CD-ROMに収めてご報告します。