概要
免疫した動物から回収した血清中には、非特異的な抗体や血清タンパク質が含まれているため、血清を使用目的に応じて、精製する必要があります。プロテインA精製を実施すれば、血清タンパク質を除去して抗体のみを精製することが可能です。しかし、非特異的な抗体を除去することはできません。一方、抗原を用いたアフィニティー精製を実施すれば、血清タンパク質に加え、非特異的な抗体も除去して、特異的な抗体のみを精製することが可能です。
ポリクローナル抗体は、ひとつの抗原に対して複数のエピトープを認識する抗体を含んでおりますので、一般的にウェスタンブロッティング法や免疫組織染色法など、幅広く実験に使用できる可能性が高いと思われます。また、モノクローナル抗体に比べ、早く安価に抗体を作製することができます。
本サービスは、バイオゲート株式会社との業務提携により提供します。
特長
- 免疫動物は、GMP管理施設にて飼育しております。
- ウサギは、北山ラベス(株)の日本白色種ヘルシーグレードを使用しております。
サービス内容
- 抗原がタンパク質の場合
ポリクローナル抗体の作製(抗原がタンパク質)
免疫回数5回、試採血1回、ELISA1回、全採血
抗原必要量:ウサギ1羽 2.0mg、マウス5匹 2.0mg
抗原タンパク質の準備からご依頼いただく場合は、ご相談ください。
- 抗原がペプチドの場合
ポリクローナル抗体の作製(抗原がペプチド)
KLHコンジュゲーション(5mgまで)
免疫回数5回、試採血1回、ELISA1回、全採血
抗原必要量:ウサギ1羽 2.0mg、マウス5匹 2.0mg
- ペプチド合成からの場合
ポリクローナル抗体の作製(ペプチド合成含む)
抗原部位検索、ペプチド合成(5mg、純度90%以上、20残基まで)
KLHコンジュゲーション(5mgまで)
免疫回数5回、試採血1回、ELISA1回、全採血
作業は、抗原部位検索から全採血までとなります。
- ペプチド合成からアフィニティー精製までの場合
ポリクローナル抗体の作製(ペプチド合成、アフィニティー精製含む)
抗原部位検索、ペプチド合成(10mg、純度90%以上、20残基まで)
KLHコンジュゲーション(5mgまで)
免疫回数5回、試採血1回、ELISA1回、全採血
アフィニティー精製(血清 10mL)(*1)
作業は、抗原部位検索からアフィニティー精製(血清 10mL)までとなります。
*1 アフィニティー精製は、1羽あたり血清10mLからの対応となります。よって、2羽での免疫の場合は、どちらか1羽をご選択ください。
- 抗体の精製、標識
プロテインA精製(血清 10mL)(*2)
プロテインA精製(血清 20mL)(*2)
アフィニティー精製(血清 10mL)(*3)
アフィニティー精製(血清 20mL)(*3)
抗体のFITC標識(10mg まで)
抗体のビオチン標識(10mg まで)
*2 プロテインA精製には、SDS-PAGEの作業が含まれております。
*3 アフィニティー精製には、アフィニティーカラム作製が含まれております。カラム作製には、5mgの抗原が必要です。
- ペプチド合成のオプション
末端アセチル化
C末端アミド化
リン酸化(Ser, Thr, Tyr)/1箇所
Disulfide bond/1箇所
MAPペプチド
免疫および試採血スケジュール(fig.1)